斎藤公子先生の全面発達を目指した科学的な保育

(さくらさくらんぼ保育)

 

 泥んこ、水遊び、充分なハイハイ運動など昔ながらの保育が、現在では科学的に有用であることが証明されています。「脳科学と教育」という視点から脳科学者の小泉英明先生は、「動物の進化の中で、人間だけは遺伝子で決められた通りでなく環境によって学習する。だから逆に言うと環境がものすごく重要になる。私は斎藤先生の保育は、まさにそのところを見抜いた保育ではないかと思います」と唱えています。

 JJ・ルソーも「エミール」の中で「環境による教育」自然環境と物的環境(教材)と人的環境の重要性を唱えています。適切な環境を整備し、昔ながらの保育を実践していきたいと考えています。

 



「斎藤公子」の保育による全面発達の保育実践

 

 ‣身体を育てる…

     リズム遊び・ロールマット・散歩・感覚遊び 等

社会性を育てる…

     集団遊び・お当番活動・地域を知り、地域で遊ぶ 等

‣言葉を育てる…

     絵本の読み聞かせ・歌をうたう・仲間と遊ぶ 等

文化性を育てる…

     季節の行事を味わう・わらべ唄遊び・本物にふれる体験をする 等

子どもの心を育てる…

   大人を信頼する・自己判断・自己決定の出来る子どもを育てる。発達に合った課題を提供することにより自己肯定感を育てる運動機能の発達と言葉等の発達が一致するため、十分に身体を動かします。 また、調味料や食事内容を吟味し、「子守り」、「預かり」ではなく「子どもの育ち」にこだわっています。

  

さくら・さくらんぼのリズム遊び

   運動神経と感覚神経の発達が、脳中枢神経の発達を促します。しかも就学までが最も発達する時期です。そのため、ここで行われるリズム遊びは、発達を促す200種類以上考案され、手先・足先・腕・脚・首・背・腹と、全身の筋肉をくまなく使うように工夫されています。ピアノのリズムにのって、自然に全身をバランスよく発達させていきます

 

労働

『労働が猿を人間にした』 と言われるほど、人間にとって労働は大切です。子ども達は、朝の雑巾がけに始まり、植物の世話、畑で作物を育てる、給食の準備をするなど、さまざまな労働をとおして、『生活力』を身につけていきます。

 

ロールマット

ロールマットを使って身体をほぐすのが、朝の日課です。特殊なマットの上で子ども達は脱力した状態を保ち、保育士の介助によって血行を促し、身体の歪みを矯正していきます。それによって、その1日の保育がスムーズに浸透する状態になり、しなやかな身体と心をつくっていきます。

 

描画

絵には、子どもの心の状態が表れます。絵を見て、子どもが感じていること、捉えていること、脳と身体の発達を読み取り、保育のあり方、子どもとの関係性を確認していきます。

そのため職員は、各地で行われる研修会に子どもの描画を持って参加し、常に勉強を重ねています。子ども一人ひとりが、心から楽しいときを過ごし、幸せな人生を送れるように最大限の努力をしていきます。

ロールマットとは、斎藤公子が子どもの神経系統の発達のために考案したもの。
ロール状にしたマットの上にうつぶせで寝て、マッサージや揺さぶりを行う。

マットから回転することによって全身の血流を良くするものです。

 ・首筋、背骨、背筋、腰にゆがみが無いかをみる
  ・背中の盛り上がり(硬さ)をほぐす
  ・両足の長さを揃える
  ・全身の緊張をゆるめる
  ・回転時には両手の反射を支える両手のひらきを促す


 

斎藤公子の保育と脳の発達の関係

 大橋保育園では子どもの全面発達を支える事を目的に、故 斎藤公子先生(2003年 内藤寿七郎  国際育児賞希望大賞・生命の尊厳賞受賞)保育を勉強しています。

 

斎藤公子先生は障がいのある子どもと健常児が共に育つ統合保育にも尽力され、子どもの身体機能と精神の健やかな育ちを目指す「全面発達の保育」の実践を重ねられました。リズム遊びや 絵本の読み聞かせ、童謡の合唱、自然や小動物との触れ合い、土や水に親しむ遊びを通して、子どもの心と生きる力を育てる事に尽力されました。

 

ソニーのロボット犬「AIBO」の産みの親で、工学博士の天外伺朗(本名、土井利忠)は、「生きる力の強い子を育てる」(飛鳥新社) の中で「与える教育」から「引きだす教育」を実践し、子どもたちに「生きる力」 を育てた斎藤公子先生は 天才であり、その内容を「奇跡の保育」と紹介しています。 厳しい時代に、企業として欲しい人材は、学力・ 学歴が高い一流大学のエリートではなく、やる気や決断力、独創力、意志力や行動力、交渉力のある人材が求められている。勉強ばかりしていて 遊んでこなかった子は、企業ではほとんど役にたたない。と断言しています。

 

「斎藤公子のリズムあそび」 「描画でみる保育実践研究」 特別支援保育や障がい児保育等について、学習をすすめていきます。

 

斎藤公子のリズムあそび

  斎藤公子のリズム遊びは、「ヒトの子を人間に育てる保育の実践」として、生物の進化の法則に沿って創られたと言われ、お母さんのお腹の中で遂げてきた進化の過程をリズム運動に再度取り入れることにより、産まれてからの育ちで充分でなかった部分を補っていきます。赤ちゃんの「寝返り」「ずりばい」「はいはい」などは、発達を保障するという点では重要な意味を持つのです。特に、手足の親指の発達に注目し、「両生類のようなハイハイ運動」などは古い脳を活性化するための運動として重要視しています。

 

 

 

参考までに