どのような保育をするのか

 

私たちは人間の発達を科学的に学び、無理のない環境の中で「手・足・身体」を育てる保育をします。手は「突き出た大脳」、足は「第二の心臓」と言われます。子どもが水・太陽・土・空気を思う存分 身体に受けて、経験豊かに生活できることを保障します。   

  身体の発達、特に手・指・足腰・足裏の発達が脳の成長と相関関係にあると思われます。これらの発達保障を前提としたリズム・遊び・運動の繰り返しの中で、身体が創られていきます。運動神経が感覚神経と共に脳の中枢神経でつながり、脳の発達を促すからです。

  脳が発達すると認識が生まれ、絵を描きはじめます。自分で確かめたことが認識となって表現となり、思考を育て、集中力を身につけ、自律から自立へと成長していきます。

 

子どもの描いた絵から心の様子や育ちを分析し、保育を考えます

 子どもの描く絵は、心の内面を表現する「カルテ」と位置づけています。

文字の獲得まで来ていない幼児期において、絵は話し言葉と共に、心の中や思いを具体的に伝えたり、表現したりするかけがえのない表現手段です。それは、子どもの今を知らせてくれる「生きた言葉」とも言えます。

 大人がどのように働きかけるかで子どもの認識が違ってきます。その子どもが描いた絵から、その子どもにあった保育内容に変更し、ゆっくり、じっくり、その年齢の育ちを保障したいと思っています。絵を描かせることが目的ではありません。

 

遊びこむ活動を保障したい!

 子どもたちが遊んでいる姿を見ていて、いいなと感じるのは、「遊びこんでいる」姿や表情です。「遊ぶ」といっても「遊びこめている」時もあれば、そうでない時もあります。「遊びこむ」「うちこむ」「のめりこむ」といった「夢中になって〇〇こむ」経験が、幼児期の発達にとって欠かすことのできないものだと思います。

 

斎藤公子先生の全面発達を目指した科学的な保育

 泥んこ、水遊び、充分なハイハイ運動など昔ながらの保育が、現在では科学的に有用であることが証明されています。「脳科学と教育」という視点から脳科学者の小泉英明先生は、「動物の進化の中で、人間だけは遺伝子で決められた通りでなく環境によって学習する。だから逆に言うと環境がものすごく重要になる。私は斎藤先生の保育は、まさにそのところを見抜いた保育ではないかと思います」と唱えています。JJ・ルソーも「エミール」の中で「環境による教育」自然環境と物的環境(教材)と人的環境の重要性を唱えています。適切な環境を整備し、昔ながらの保育を実践していきたいと考えています。

 

 

 

年齢に応じた発達の目安

 0歳・乳児クラス

 生理的欲求を満たし、基本的信頼関係を築いていきます。優しくゆっくりした時間と心地よい空間を保障していきます。

  よく食べて、よく動いて、よく眠る生活を保障します。

 ○砂・泥・水遊びを十分に保障します。

 ○ハイハイを十分にし、全身がよく動くことを保障します。

 ○上手に綺麗に食べるより、手づかみでも食べる欲求(食欲)を大事にします。

  

1歳児クラス      

 大人とのゆっくりとした対話を大切にし、探索活動しながら発見し感動することに共感していきます。心地よく食べる、寝る、出す、歩く、遊ぶができるようにしていきます。

   ○よく食べて、よく動いて、よく話して、よく眠る生活をさせます。

○道具を使える手にしていきます。

○砂・泥・水遊びをたっぷりとさせます。

○しっかりと歩かせて、太ももを育てます。

○ゆったりと接し、言葉を大事に育てます。

○パンツをはいたり、脱いだり身辺自立(自分のことを自分でやれる)のはじめを育てます。

 

2歳児クラス 

  身体全体での探索活動を満喫させていきます。よく遊びよく話し、友達や先生、保育園での活動が大好きになるようにします。 

○楽しく食事ができ、何でも食べられる子どもにします。

○洋服の着脱ができるようにします。

○排泄・排尿の自立をさせます。

○砂・泥・水遊びを友達と楽しくできるようにします。

○友達と役割を決めて遊べるようにします。

○折り紙や粘土・ハサミなど、手を使っての遊びも増やしていきます。

○読み聞かせをうんと楽しませます

 

3歳児(年小児)クラス 

  自己主張と攻撃性の発散を保障し、食べる、寝る、出すなどの生活の自立が出来るようにしていきます。 

○何でも食べられる子どもにします。

○箸を持って食事ができるようになります。

○身辺の自立(着脱・食事・排泄排尿・片づけ)がほとんどできるようにさせます。

○友達と一緒に「ごっこ」遊びができるようにします。

○遠くまでの散歩や遠足など、見る世界を広げながら身体の育ちを保障します。

○基本のリズム(スキップ)ができるようにします。 

   

 4歳児(年中児)クラス

  仲間意識を育て、感情や行動の調整ができる思いやりの心を育てます。 

○跳ぶ・走る・投げる・引く・押す・ぶら下がるなどの全身運動を高めます。

○切ること・折ること・作ることの技術を伸ばします。

○スキップが完全にできるようになります。   

○水に浮くこと・面かぶりで泳ぐことを覚えさせます。

○友達と話し合って遊べるようになります。

○長い紙芝居・お話をよく聞けるようになります。

○正しいメロディーがとれるようになり、歌が大好きになります。

 

 5歳児(年長児)クラス 

  集団の中で意欲的に活動し新しい知識や能力を獲得させていきます。 

    ○全身運動をしなやかに・こまやかに・力強く育てます。

    二拍子・三拍子・四拍子のリズムを体でとれるようにする。

  ❖ 側転ができる。  飛び箱を跳べる。(開脚跳び)

  ❖ 縄跳びが出来る。 こまを回せる。

    鉄棒の逆上がりが出来るようにする。 登り棒が登れる。

  ❖ 竹踊りができる。      

 ○手仕事をたくさんさせ、器用な手の土台を育てます。

    雑巾縫い  粘土 折り紙 ❖こいのぼり作り   七夕飾り  

    クリスマスモール作り  お面作り  縄跳びの「縄」作り  

 ○語り聞かせを楽しく聞けるようにさせます。 

 ○自分の課題にひるまず・臆せず・投げ出さず取り組ませます。(側転など) 

 ○歌の意味を理解しながら、歌う楽しさを育てます。